安心安全で快適な自習室「ミニッツ」| 神奈川県横浜市

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ちょっとした実話

こんにちは(*^^*)
今日はムシムシで暑いですね。
九州方面は大雨で大変な事になっていますが、まずは命を守るようにして下さいね。
さて、自習室のブログですが、経験から教わった事をご紹介します。
実は、フランス料理のお店で修業をしていたことがあるのです。
師匠は、帝国ホテルの副料理長だった方なのですが、この料理長がめちゃくちゃ料理が上手かったですよ。
そして、修業を一緒にしていたのがこれまた凄い人で、東京のホテル○○でチーフを務めていた方だったんです。
ホテル名を言えないのはちょっとした理由が(笑)
最初の半年は、朝から夜まで皿洗いでした。
でもある日、料理長が来て「味は覚えただろ?」と一言。
えっ!
未だ教えてもらってないのにと思い「まだです。」と言うと「毎日、皿洗いをしてたのに何やってんだ!」と激怒されました。
その後元チーフから「皿洗いさせてもらってるなんてすごい事なんだぞ。毎日、料理長が作った料理の味見が出来るだろ。」と言われて、何を半年もやっていたのかと思いました。
料理教室なら、手取り足取り色々教えてもらえるでしょうが修行となるとそうはいきません。
次の日から、下がって来たお皿に付いたソースを舐めましたよ(笑)
1ケ月そんな事をしていたら、また料理長から「味は覚えただろう?」と一言。
元チーフに教えてもらっていたので「バッチリ覚えました。」と言うと「明日からジャガイモ10箱剝いておいてくれ。」と言われて「料理を教えろ!」と心の中で叫びましたよ。
そんな事は言えないので、代わりに「皮むき機はどこにあるんです?」と聞いたら「ほれ!これ使え。」と果物ナイフを渡されした。
後で知ったのですが「果物ナイフ」ではなく「ペティナイフ」だという事でした。
それも料理長が長年愛用のだったそうです。
次の日から、ペティナイフナイフでジャガイモ10箱を剝く作業の開始です。
包丁使いは居酒屋で3年近くアルバイトをしていた時、煮物や刺身、魚のさばき方なんかを教わっていたので、メークインってジャガイモなんかお茶の子さいさいでした。
でも10箱を一気に剥くのはきつかった。
そして、10箱剝いて「料理長出来ました。」とジャガイモを見せると「調理はしてるけど料理はしてないな。」と一言。
ん!?
「このおっさん意味わからん。」と思っていると「言ってることが解らないよな?剥くだけ考えてやってただろ。料理は食べる人の事を考えながら、想像しながらやる事で機械がやるような事ではないんだ。」と言われたんです。
でも、どう考えたって一緒じゃないかと思っていると「煮たらどうなる?焼いたらどうなる?考えたか?」と偉そうに言ってきました。
まぁ、かなり偉い方なんですが。
煮たら煮えるし、焼いたら焼けるなんて当たり前だろうと思っていると「先を考えて剝いてみろ、手直しはしておくから後10箱剝いておけ!」とキツイ事を・・・。
その日の夢は言うまでもなく、ジャガイモに襲われる夢でした。(笑)
まぁ、ご立派な料理長が言うのだからと、次の日からは「お客が食べる時にどう思うか。」「料理にしたらどんな感じになるのか。」なんて考えながら、毎日10箱剝きました。
そんなジャガイモ剝きが続き、半年過ぎたころ「ちょっとこい」と料理長からお声が。
「包丁が使えるから調理には向いている。でも、料理として出して、客が食べなかったら意味ないんだぞ。」と一言。
本当に意味の解らない事を言うのは職人だからなんだと感じましたよ。
そして「どこまで出来るか見てやる。」とエビピラフの材料を出して「出来たら味見してやるからな。」とまたまた偉そうに。
若気の至りか、後ろから刺してやる位では済まないぞって感じでした。
そうすると元チーフが「お前すごいよな。1年で味見なんて見込まれ過ぎだよ。まぁ、頑張れや!」と肩を叩いて厨房から出ていきました。
おいおい、教えねぇのかよって感じですよね。
それよりも、何故エビピラフなのか・・・ココはフランス料理のお店でしょと思いました。
負けん気が強いのか、バカにされたくないのか、自分でも解らないくらい必死に作りました。
もちろん、料理長が驚く顔で「旨いなぁ。」と言ってくれる所を想像しながらです。
そして料理長に「出来ました。」と言うと「なんだこれ?見た目がぐちゃぐちゃじゃないか。こんなの客に食わせられるか!」とメチャクチャけなされましたよ。
まぁ、絵を描くような料理長の料理とは、比べのもにならないくらい見た目が酷かったのは事実です。
ピラフ?焼き飯?混ぜご飯?
多分、お店で出されたら「この店舐めてんのかよ!」と激怒するかも知れません。
でも「まぁ、見た目なんてその内に上手くなるからな。味は盗んでただけあって旨いよ。」と言って頂けました。
いつもは分けわからんおっさんですが、褒められるとメチャクチャ嬉しかったですよ。
嬉しさでにやけていると「味は良いけど、もうちょっと考えろ!」とまたまたお叱りが。
けなして褒めてお叱りパターンかよ!
まぁ、元チーフが言うくらですから、取り敢えずは目を掛けてもらっているのは嬉しかったので「次、頑張ります!」と好青年の返事をしました。
破棄があって素直で、やる気満々みたいな感じですね。
これならいけるなんて思っていると「何頑張るんだ?オレに見とめてもらう為に頑張る必要なんてないからな!」と・・・。
えっーマジでおっさん言ってる?と思いましたが「オレじゃなく食べてくれる客の為に頑張れよ。」と追加発言。
そんな事もあって半年くらい経った頃、料理長から「出かけてくるからお前作れ。」とご命令がありました。
ん!?作れって何を?
店内を見ると、前からの馴染みの初老のお客さん。
いつも杖を突いて一人で来られて、何も言わず食事をされて帰られる方なのですが、味にめちゃくちゃうるさくて元チーフが一番嫌いなお客さんでした。
細身で背もそれほど高くなく、あごひげが印象的なので一番最初に覚えたお客さんです。
元チーフに「オーダー何ですか?」と聞くと「裏メニューのエビピラフだってさ。お前が作るんだろ?」と逃げ腰になって厨房の外にある喫煙スペースに消えて行きました。
元チーフが作ってくれると思っていたのにと思いながら、材料を用意して作り始めると「あのじいさんはエビピラフが好きだからって、料理長が裏メニューにしたらしいぞ。」とタバコを吸い終わった元チーフが戻ってきて言ってきました。
ってことは、一番食べてるから他の何よりもうるさく言われかもと思い「料理長の知り合いですか?」と元チーフに尋ねると「オープンした時から来てるって話」と情報提供をしてくれました。
オープンした時?
ずっと来てる?
フランス料理のお店の偉そうな料理長が、エビピラフなんて料理を裏メニューにわざわざしてる?
何か色々と考えているうちに「ダメもとで、少しでも笑顔になってくれたらそれでいい。」と開き直りましたよ。
エビピラフが出来上がり、初老のお客様へ運びました。
「おや、君が作ってくれたの?今日は料理長休み?」と質問ラッシュが来たので「料理長は外出中で、作らさせて頂きました。」と恐々と言うと「そう、文句言うかもしれないからちょっとそこにいなさい。」とご命令を、こんなじいさんに文句を言われなきゃならないんかと小学校以来の立たされ気分でいると「料理長が言ってたの君ね。見た目を勉強すれば味は料理長と同じ。だから駄目だね。」と感想を述べられました。
分けわからんおやじの知り合いは分けわからんってことです。
そこに料理長が戻って来て「こいつどうです?」と一言。
え!?はめられた感ありありです。
元チーフも出て来て「いつも有難う御座います。。」と・・・・・・・。
みんなグル?だったわけで、どこまで出来るかをチェックされていたようです。
その後料理長から話を聞くと、元チーフがいたお店で昔は料理長をやっていた方で、料理長が最初に修業した師匠だったということでした。
そこで「料理長と同じだからダメってどういうことですか?」と聞くと「まぁ、たいしたことない料理人と同じって事かな。」なんてご謙遜をされていました。
そして「調理師は相手が居なくてもなれるが、料理人は相手が居なければなれない。」と言われました。
暫くして、訳あって飲食業界から離れましたが、思えば「気持ちを理解出来る調理師が本当の意味での料理人」という事だったと思います。
もしも、初老お客さんがご健在なら「味は料理長と同じだけど、料理は料理長を越えてるね。」と言わせられるような気がします。
みなさんも「見た目は良くないけどおいしい料理」と言われるようになりましょうね。
そう言えば「料理は愛情!」なんて名言でした。
2019年07月01日 10:10
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